「レロエ・クオーレ」をオープンさせた時、居抜きの店舗であったこのお店には、前のお店が使っていた立派なピッツァ釜が最初からありました。

しかし困ったことに、ピッツァを焼ける人間が会社内には誰もいませんでした。

ピッツァ職人と面接もしましたが、条件が合わず・・・。

僕は内心、ピッツァ職人に対する好奇心があったため、できることなら自分がやってみたいと考えていましたが、それまでホール担当でワインをサービスすることをずっとやってきた自分に自信などあるはずがありません。

 

それでも結局やってみることになったのは

オーナーの苦肉の策のようなものでしたが、内心わくわくしていました。

 

しかしそのあとは、シンプルさゆえの難しさに苦しむ日々が続きました。

基本的なことは経験者の方に教えてもらいましたが、

始めて使う薪釜の蓄熱の特性、発酵生地の特性、ナポリピッツァは手で生地を伸ばさねばなりません。そのような技術も当初はなし。

 

しばらくたった頃、この料理が「ノウハウではなく経験によって成り立つ料理」だということに気が付きました。レシピも天気次第で変えねばなりません。ちょっとした酵母の活動で、結果は全く違うものになってしまいます。伸ばし方も日によって微妙に変えねばならない。

 

ナポリピッツァの生地の材料は驚くほどシンプルです。

材料は塩・水・小麦粉・酵母、この4つだけです。

作りかたは捏ね上げて、発酵させる。基本的にはこれ以外のことはしません。

 

「みな同じことをしているのにどうしてこんなにお店ごとの特徴が出るのだろう。」

 

僕は当初使っていたミキサー(粉を捏ね上げる機械)を使うことをやめました。

今では最初から最後まですべて手作業です。それを毎日繰り返していくうちに少しずつ考えることが増えていきました。

 

材料の塩はミネラル豊富なシチリア・トラパニ産の天然海塩、酵母は秋田の「白神こだま酵母」という天然酵母を使用しています。

粉はサンフェリーチェという最高のナポリ産小麦粉です。

職人としてはまだまだ未熟な自分のピッツァを食してくださるお客様に少しでも恩返しをしたい。今より少しでもおいしいピッツァを召し上がっていただきたいという想いをこれからも抱いてピッツァを焼きたいと思います。

​Kousuke Shiba

芝孝輔 オーナー

芝孝輔

1979年神奈川県生まれ

2004年から2011年まであざみ野「レロエ・オヴェスト」店長

2013年、「レロエ・オヴェスト」西野靖弘と共に姉妹店「レロエ・クオーレ」をオープンさせる

2017年、同店にて独立

ピッツァの仕事はもちろん大事ですが、僕の根っこはサービスマンです。お客様との距離が一番近いポジションから離れるつもりはありません。

多くのお客様に快適にレストランを楽しんでいただき、結果として名前を憶えていただけるサービスマンを目標として、これからも努力してまいります。

イタリアに渡ったのは、ワイナリーを巡るためでした。1か月ではありましたが、つくり手の情熱と、暮らしの文化を少しは理解しているつもりです。

レロエクオーレにはそれほど多くのワインを置いているわけではありません。でも、お客様にできるだけ喜んでいただける様、季節や料理に合わせて時期によって違うワインをセレクトしています。

グラスワインは赤、白4~5種類くらいのメニューを毎週手書きしています。つたない説明入りですができるだけ自分の言葉で書くようにしておりますのでよろしくお願いいたします。

​これからもつくり手とお客様の良い橋渡しになれるよう日々精進してまいります。

L'eroe (読み)レロエ (意)主人公・ヒーロー

Cuore (読み)クオーレ (意)ハート・心・心臓

人は誰もが自分の人生の主人公であります。

お客様はレストランにおいて主人公であり、

同時にレストランで働いている我々もまた主人公です。

食材の生産者、ワインの生産者…多くの主人公の心によって

レストランが成り立っていることを忘れぬようお店の名前にいたしました。

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